この記事の要点
- 同じ分野の質問 25 問で測ると、対象サービスの出現率は質問によって 0% から 100% まで開きました
- 質問は「非指名・自社指名・比較指名・競合指名」の 4 つの型に分け、主指標は非指名だけで出します
- 見込み客が実際に打ち込む言葉で書き、一度決めたら文面を変えません
LLMO の計測で使う「質問」とは何ですか?
計測の結果は、どんな質問を投げたかで大きく変わります。プロンプトは「自分が聞きたいこと」ではなく「顧客が実際に AI に打ち込む言葉」で書くのが原則です。
質問には、どんな型がありますか?
社名を含むかどうかで 4 つに分かれます。当方の計測で、型ごとに対象サービスの出現率(SOV)を出すと次のとおりでした。
| 型 | 例 | 本数 | 対象サービスの出現率(SOV) | 使いみち |
|---|---|---|---|---|
| 非指名 | 「おすすめの◯◯は?」 | 25 | 64.4% | 主指標。本来の見え方 |
| 自社指名 | 「(自社)の評判は?」 | 1 | 100% | 誤情報・否定的な記述の確認 |
| 比較指名 | 「(自社)と(競合)はどちらがいい?」 | 2 | 100% | 比べられたときの書かれ方の確認 |
| 競合指名 | 「(競合)の評判は?」 | 2 | 5.6% | 競合の評価の確認 |
自社名を含む質問で自社が挙がるのは当然で、競合名を含む質問で挙がらないのも当然です。出現率の主指標は、非指名質問だけで出します。指名質問は別の目的(情報の正確さ・評判の確認)のために、別に集計します。
非指名質問は、さらに聞き方で分けておくと設計しやすくなります。
| 非指名の型 | 聞き方の例 | 何が分かるか |
|---|---|---|
| カテゴリ推奨 | 「◯◯でおすすめは?」「◯◯を比較して教えて」 | 最も基本の見え方 |
| 条件つき推奨 | 「中小企業向けの◯◯は?」「サポートが手厚い◯◯は?」 | 特定の条件で残れるか。勝てる領域の発見 |
| 課題起点 | 「毎月の◯◯に時間がかかって困っている。どうすれば?」 | 商品名を知らない人の聞き方で出るか |
質問の書き方で、結果はどれくらい変わりますか?
非指名の 25 問それぞれで、対象サービスが 9 回(3 エンジン × 3 回)のうち何回挙がったかを見ると、大きく開きました。
| 9 回中の出現回数 | 質問の数 |
|---|---|
| 9 回(100%) | 2 問 |
| 7〜8 回 | 10 問 |
| 4〜6 回 | 7 問 |
| 1〜3 回 | 4 問 |
| 0 回(0%) | 2 問 |
当方の分類で、質問を内容ごとにまとめると次のようになりました。
| 質問の内容(当方の分類) | 質問数 | 対象サービスの出現率(SOV) |
|---|---|---|
| 総合的な推薦(「おすすめは?」など) | 2 | 88.9% |
| 条件つき(料金・時間帯・講師・法人向けなど) | 10 | 74.4% |
| 目的別(試験対策・面接・留学準備など) | 4 | 61.1% |
| 対象者別(初心者・社会人・シニア・子どもなど) | 6 | 53.7% |
| 比較・注意点(他の学習方法との比較など) | 3 | 40.7% |
「おすすめは?」だけで測れば 9 割近く出ている対象サービスが、対象者や目的を絞った聞き方では半分前後まで下がります。どの質問を選んだかで、「強い」とも「弱い」とも言えてしまうということです。
もう 1 つ、見落としやすい点がありました。出現率 0% だった質問の 1 つには、登録していない他社のアプリ名が 2 つ含まれていました。社名を含まない質問のつもりでも、他社の名前が入っていれば事実上の指名質問になります。
どうやって質問を作ればいいですか?
次の順で作ります。
- 営業担当に「お客様はどう聞いてきますか」と聞き、話し言葉のまま書き出す
- 非指名 8 本(カテゴリ推奨・条件つき・課題起点を混ぜる)+指名 2 本(自社の説明・評判)にそろえる
- 各質問に「指名/非指名」の印を付けて記録する。あとから分けて集計するため
- 一度決めたら、翌月以降も文面を変えない
避けたい作り方は次のとおりです。
| 避けたいこと | 理由 |
|---|---|
| 自社が有利になる条件を詰め込む | 良い数字が出ても意味がない。現在地を知るための計測である |
| 全部を指名質問にする | 指名で聞けば、どの会社も出てくる。差が出ない |
| 専門用語・社内用語を使う | 見込み客はその言葉で聞かない |
| 1 つの質問に条件を詰め込みすぎる | AI が条件に引きずられ、素の推薦の傾向が見えなくなる |
| 他社の名前を例として書き込む | 事実上の指名質問になり、非指名の集計がゆがむ |
| 主張 | 根拠の強さ | 根拠 |
|---|---|---|
| 質問の選び方で、出現率は大きく変わる | ◎ 実証 | 当方の実測(質問ごとに 0%〜100%) |
| 指名質問を混ぜると、出現率の集計がゆがむ | ◎ 実証 | 当方の実測(型ごとに 5.6%〜100%) |
根拠の強さは、◎ 実証(当方の実測、または複数の独立した調査が同じ結論)/○ 有力/△ 仮説/✕ 否定されつつある、の 4 段階で示しています。