この記事の要点
- ゼロクリック検索とは、検索結果の画面だけで用が済み、どのサイトもクリックされずに終わる検索のことです
- 米国の調査では、AI の要約が出た検索で、リンクがクリックされた割合は約半分になりました(15% → 8%)。要約の中のリンクがクリックされたのは 1% でした
- クリックが減っても、答えの中で自社の名前が挙がれば、候補には入ります。「クリック数」と「答えの中で挙がるか」は分けて見る必要があります
ゼロクリック検索とは何ですか?
以前から、天気や計算、用語の意味のように、検索結果の画面だけで答えが分かる検索はありました。AI の要約が表示されるようになり、比較や手順のような、以前ならサイトを開いて読んでいた質問でも、画面の中で済むことが増えています。
AI の要約が出ると、クリックはどれだけ減るのですか?
米国の Pew Research Center が、実際の閲覧データで調べています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査 | Pew Research Center(2025 年 7 月 22 日公表) |
| 対象 | 閲覧データの提供に同意した米国の成人 900 人の、Google 検索 68,879 件(2025 年 3 月) |
| 見たもの | AI の要約あり | AI の要約なし |
|---|---|---|
| 検索結果のリンクがクリックされた割合 | 8% | 15% |
| 検索のあと、閲覧そのものを終えた割合 | 26% | 16% |
| 要約の中のリンクがクリックされた割合 | 1% | — |
要約が出た検索では、クリックの割合がほぼ半分になり、そのまま閲覧を終える割合も上がっていました。この調査は米国のもので、日本の数字ではありません。ただ、Google の AI 概要は月間 25 億人以上が使っていると発表されており(2026 年 5 月)、同じ方向の変化が国内でも起きていると考えるのが自然です。
クリックが減ると、企業には何が起きるのですか?
起きることは 2 つに分けて考えます。
| 変化 | 中身 | 確かめる数字 |
|---|---|---|
| サイトへの訪問が減る | 検索結果に表示されても、クリックされにくくなる | 検索からのクリック数・クリック率 |
| 答えの中で比べられる | 利用者は要約の中の説明を読んで候補を絞る | 答えの中で自社の名前が挙がるか・どう書かれるか |
1 つ目はアクセス解析で見えます。2 つ目は、アクセス解析には表れません。当方の実測では、AI の答えで名前が挙がった 173 回のうち、自社サイトへのリンクが書かれていたのは 3 回だけでした。
| 見たもの | 結果 |
|---|---|
| 対象サービスが推薦の対象として挙がった回 | 270 回中 173 回 |
| そのうち、対象サービスのサイトへのリンクが書かれていた回 | 3 回 |
名前は挙がっているのに、クリックする導線はほとんどない。クリックが無いことは、見られていないことを意味しません。詳しくは 「AI 流入の計測」と「AI の回答内の見え方」は別物 に書きました。
ゼロクリックの時代に、何を見ればいいですか?
クリック数だけで判断せず、次の 3 つを並べて見ます。
| 見る数字 | 調べ方 |
|---|---|
| 検索からのクリック数・クリック率 | Search Console の検索パフォーマンス |
| AI 概要・AI モードで、自社サイトへのリンクが表示された回数 | Search Console の生成 AI のレポート(2026 年 8 月 31 日に全世界へ提供)。詳しくは Search Console の生成 AI レポートで分かること |
| AI の答えの中で、自社の名前が挙がる割合(出現率) | 見込み客の聞き方で、同じ質問を複数回 AI に投げて数える |
3 つ目は、どのツールの標準の数字にも入っていません。自分で測る方法は LLMO 計測の方法:AI 検索での見え方を無料で測る にまとめました。
| 主張 | 根拠の強さ | 根拠 |
|---|---|---|
| AI の要約が出ると、検索結果のクリックが減る | ◎ 実証 | Pew Research Center(米国・2025 年) |
| AI の答えで名前が挙がっても、リンクが示されるとは限らない | ◎ 実証 | 当方の実測(173 回中 3 回) |
| 日本でも同じ程度にクリックが減っている | △ 仮説 | 国内で同じ方法の公開データは見当たらない |
| クリックが減った分、企業の売上が減る | △ 仮説 | 答えの中で名前を知って、あとから訪れる人もいる。区別できるデータがない |
根拠の強さは、◎ 実証(当方の実測、または複数の独立した調査が同じ結論)/○ 有力/△ 仮説/✕ 否定されつつある、の 4 段階で示しています。
※ 外部の調査・公式ドキュメントの内容は、記載した発表時点のものであり、当方が独自に検証したものではありません。