この記事の要点
- 無料の AI 1 つと表計算ソフトがあれば、60 分でおおよその現在地は掴めます
- 質問をつくる、3 回ずつ聞く、数える、引用元を分ける、の 4 つの手順で進めます
- 自分で測る方法には限界もあります(AI が 1 つに偏る、精度が低い、変化が見えない)
LLMO の計測では、何を測るのですか?
AI の回答は、同じ質問でも回ごとに変わります。そのため 1 回聞いて終わりにせず、同じ質問を繰り返し投げて数えます。60 分の手順で得られるのは次の 4 つです。
| 得られるもの | 分かること |
|---|---|
| 出現率(SOV) | AI に聞かれたとき、自社が候補に入る確率 |
| 出たときの平均順位 | 候補に入ったときの推され方 |
| 1 位率 | 最初に勧められる確率 |
| 引用元の内訳 | AI が何を読んで答えているか |
測る前に、何をそろえればいいですか?
使うのは、Web 検索をしてから答える AI の無料版(引用元が表示されるもの)と、表計算ソフトだけです。そのうえで、条件を先に固定します。
| 固定すること | 理由 |
|---|---|
| ログアウトするか、シークレットウィンドウで行う | 過去の会話や利用履歴が回答に影響する可能性がある |
| 実施日時を記録する | 「いつの数字か」が言えないデータは再利用できない |
| 3 回は続けて投げる | 日をまたぐと、AI 側の変化と自社側の変化が混ざる |
| 文面は一字も変えない(コピーして貼る) | 文面が変わると、揺らぎか質問の違いか区別できない |
当方の実測も、この条件で行っています。
この計測は、比較のための追加の質問と通常の検索を含めても、回答と引用元の記録まで 1 社分でおよそ 20 分でした。
どんな手順で測るのですか?
| 手順 | やること | 目安の時間 |
|---|---|---|
| 1. 質問を作る | 社名を含まない質問 8 本+自社名を含む質問 2 本 | 20 分 |
| 2. 3 回ずつ聞く | 1 問につき 3 回、同じ文面を投げる(計 30 回) | 25 分 |
| 3. 数える | 出現率・順位・1 位率 | 10 分 |
| 4. 引用元を分類する | 3 つに分けて数える | 5 分 |
手順 1 が成否の 8 割です。社内の言葉ではなく、まだ自社を知らない見込み客が打ちそうな言葉で書きます。質問の作り方は LLMO のプロンプト設計:計測する質問の作り方 にまとめました。
手順 2 では、1 回ごとに次の列を記録します。
| 質問 | 回 | 自社の名前が挙がったか | 挙がったなら何番目か | 1 番目に挙がった社名 | 引用元のドメイン(全部) |
|---|---|---|---|---|---|
| (質問文) | 1 | はい/いいえ | 数字 | 社名 | ドメインを並べる |
測った結果は、どう数えればいいですか?
| 指標 | 計算 |
|---|---|
| 出現率(SOV) | 自社の名前が挙がった回数 ÷ 投げた回数(社名を含まない質問だけで出す) |
| 出たときの平均順位 | 挙がった回だけで順位を平均 |
| 1 位率 | 1 番目に挙がった回数 ÷ 投げた回数 |
引用元は、次の 3 つに分けます。
| 分類 | 見るポイント |
|---|---|
| 自社のサイト | そもそも引用されているか |
| 競合の自社サイト | 競合は参照されているのに、自社は参照されていないか |
| 第三者の比較・ランキング記事 | 引用回数が多い × 競合は載っている × 自社は載っていないサイト。これが打ち手の第一候補 |
当方の実測では、対象社が圏外だった回の根拠 10 件のうち 8 件が第三者の比較記事、2 件が競合の自社サイトで、対象社の自社サイトは 0 件でした。自分の結果でも、この 3 つの割合を見てください。
指標の定義と読み方は 出現率(SOV)とは:平均順位・1 位率との違い に書きました。
自分で測ると、何が分からないのですか?
正直に書くと、60 分で分かるのはおおよその現在地までです。次の 5 つが残ります。
| 残ること | 理由 |
|---|---|
| AI が 1 つに偏る | 学習した知識で答える AI や、Google の AI 概要との違いが見えない |
| 精度が低い | 1 問 3 回では、出現率は「方向感」までしか言えない |
| 分類が揺れる | 手作業での判定や引用元の分類は、人によってぶれる |
| 否定的な書かれ方を見落としやすい | 名前が挙がっていても、評価が低く書かれている回を目視では拾いきれない |
| 変化が見えない | 翌月に同じ条件で測り直さないと、良くなったのか悪くなったのかが分からない |
Google の AI 概要・AI モードについては、Search Console の生成 AI のレポートで、自社サイトへのリンクが表示された回数を無料で見られます(2026 年 8 月 31 日から全世界)。ただし、どの質問で表示されたかや、答えの中で勧められたかは分かりません(Search Console の生成 AI レポートで分かること)。
それでも、測っていない状態と 60 分測った状態の差は大きいはずです。「どこで負けているか」の見当がつけば、次に何を確かめるべきかが決まります。規模ごとの違いは次のとおりです。
| 自分で(簡易) | 自分で(本格運用) | 任せる | |
|---|---|---|---|
| 規模の例 | 1 つの AI × 10 問 × 3 回 = 30 回 | 5 つの AI × 50 問 × 3 回 = 月 750 回 | 同左 |
| 初回の工数 | 60 分 | 質問の設計、仕組みづくり、集計の仕組みの構築 | 質問の確認のみ |
| 分かること | おおよその現在地 | すべて | すべて + 解釈と打ち手 |