この記事の要点
- 同じ質問に Perplexity は 3 回とも答えましたが、Google 検索では AI 概要そのものが表示されませんでした
- 表示されなかった回を「0(圏外)」と数えると、出現率を実力より低く見積もります
- 1 回ごとに「出現/圏外/未生成」の 3 択で記録し、生成率と出現率を分けて報告します
Google の AI Overview(AI による概要)とは何ですか?
検索結果の一覧より先に、質問への答えが文章で表示されます。この要約の中で自社の名前が挙がるかどうかが、AI Overview での見え方です。
同じ Google の AI でも、AI モードは別の画面・別の仕組みとして提供されています。当方の計測でも、AI Overview と AI モードは別のエンジンとして扱っています。それぞれの仕組みは Google の AI 概要とは と Google の AI モードとは で整理しました。
AI Overview が表示されないのは、どんなときですか?
当方の計測では、Web 検索をしてから答える AI(Perplexity)に投げたのと同じ質問を、Google の通常の検索でも調べました。
| 回答(要約)が返ったか | 挙がった事務所 | |
|---|---|---|
| Perplexity | 3 回とも返った | 毎回 4〜5 事務所 |
| Google 検索の AI Overview | 表示されなかった | — |
Google 側で表示されたのは、次の 2 つの文言でした。
| 表示された文言 | 文言から読み取れること |
|---|---|
| 「この検索では AI による概要を表示できません」 | この検索には、要約を出さない |
| 「現在、AI による概要を生成できません」 | いまは、要約を作れない |
文言からは 2 通りの理由が読み取れますが、どちらが実際の理由だったのかを、文言以上に確かめる手段は当方にはありません。
なお Google は、AI 機能についての公式ドキュメント(2025 年 12 月更新)で、AI 概要は通常の検索結果に付け加える価値があるとシステムが判断した場合にだけ表示されるもので、表示されないことも多い、と説明しています。表示されないこと自体は、Google が想定している通常の動きです。
同じ質問でも、AI によって「答える」「答えない」が分かれます。そして答えなかった回を記録から落とすと、あとで数字を読み違えます。
どんな条件で表示されやすいかについて、Google は詳しい基準を示していません。考えられる条件はいくつかありますが、当方はいずれも検証できていません。
| 条件 | 根拠の強さ | 補足 |
|---|---|---|
| AI Overview は、検索しても生成されないことがある | ◎ 実証 | 本記事の観測、および Google の公式ドキュメント(2025 年 12 月更新) |
| ログインしていない状態では生成されにくい | △ 仮説 | 当方は未検証 |
| 質問の分野や言い回しによって、生成されやすさが違う | △ 仮説 | 当方は未検証 |
| 検索の地域によって、生成されやすさが違う | △ 仮説 | 当方は未検証。同じ検索で、地域は自動的に東京都内の特定の区として扱われていた |
根拠の強さは、◎ 実証(当方の実測、または複数の独立した調査が同じ結論)/○ 有力/△ 仮説/✕ 否定されつつある、の 4 段階で示しています。
表示されなかった回を「0」と数えると、何が起きますか?
出現率(SOV)が、実力より低く出ます。AI Overview は 1 回の検索につき、次の 3 つのどれかになります。
| 状態 | 記録のしかた | 出現率(SOV)の分母に入れるか |
|---|---|---|
| AI Overview が表示され、自社が挙がった | 出現 | 入れる |
| AI Overview が表示され、自社が挙がらなかった | 圏外 | 入れる |
| AI Overview が表示されなかった | 未生成 | 入れない(別に「生成率」として数える) |
以下は、違いを示すための計算例です(架空の数字で、実測値ではありません)。10 回検索して、AI Overview が表示されたのが 4 回、そのうち自社が挙がったのが 2 回だったとします。
| 数え方 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 未生成も「0」として数える | 2 ÷ 10 | 20% |
| 表示された回だけで数える | 2 ÷ 4 | 50% |
| あわせて生成率を出す | 4 ÷ 10 | 40% |
「出現率 20%」と「表示された回の半分で挙がる。ただし AI Overview が出るのは 4 割の検索」とでは、打つべき手がまったく違います。前者は「AI に選ばれていない」と読めますが、後者は「選ばれてはいる。要約が出ない検索が多い」という状態です。
AI Overview は、どう測ればいいですか?
「出なかった」と「AI が答えていない」を、最初から別の記録にしておくことがすべての前提です。そのうえで、次の点を揃えます。
| やること | 理由 |
|---|---|
| 1 回ごとに「出現/圏外/未生成」の 3 択で記録する | 未生成を 0 に混ぜないため |
| 生成率と、表示された回だけの出現率を分けて報告する | 2 つは別の事実を表すため |
| 同じ質問を 3 回以上投げる | 1 回では、たまたま表示されなかっただけか区別できない |
| ログイン状態・検索の地域・実施日時を毎回記録する | 表示を左右しうる条件を、あとで比べられるようにする(地域の指定については AI 検索の地域指定:できること・できないこと) |
| AI モードは別のエンジンとして記録する | 仕組みが別で、結果を混ぜると読めなくなる |
| ほかの AI と平均しない | 答える AI と答えない AI を平均すると、どちらの実態も消える |
最後の点は、AI Overview に限らず起きる落とし穴です。エンジンをまたいで平均すると何が消えるかは、LLMO 効果測定の 5 つの落とし穴:出現率だけでは失敗する にまとめました。
※ 計算例として示した数字は実測値ではありません。公式ドキュメントの内容は、記載した時点のものです。