この記事の要点
- 地域別の見え方を測る方法は「質問文に地名を入れる」と「検索地域を指定する」の 2 つで、再現している利用者が違います
- 当方の計測環境で検索地域を指定できるのは、Google の AI 概要と AI モードの 2 つです
- 地域を指定しなくても、検索や AI の側が、おおよその現在地から自動で地域を決めていることがあります
AI 検索の「地域指定」とは何ですか?
地域ごとの見え方を測る方法は 2 つあります。混同されやすいので、先に分けておきます。
| 質問文に地名を入れる | 検索地域を指定する | |
|---|---|---|
| 何を変えるか | 聞き方そのもの(「◯◯市でおすすめは?」) | 検索した場所の扱い(質問文は同じ) |
| 再現しているもの | 地名を入れて聞く人 | その地域にいて、地名を入れずに聞く人 |
| 使える AI | どの AI でも | 地域の指定に対応した一部の AI のみ |
どちらが正しいというより、再現している利用者が違います。両方を測れると、見え方をより正確に掴めます。
地域の違いで、実際に何が変わりましたか?
当方の実測では、質問文に地名を入れただけで、推薦の顔ぶれがほぼ入れ替わりました。
| 観測 | 結果 |
|---|---|
| 地名を含まない質問での対象社 | 3 回中 2 回、1 位 |
| 同じ分野の質問に、対象社の拠点がある大都市の地名を足した | 推薦された 7 事務所に入らず |
| 地名を含まない質問で挙がった 8 事務所のうち、地名ありでも挙がったもの | 2 つ(いずれも拠点名つき) |
| 地域を指定しなかった通常の Google 検索 | 検索結果が自動的に東京都内の特定の区に合わせて表示された |
最後の行は、地域の指定と同じくらい重要です。こちらが何も指定しなくても、検索の側は地域を決めて答えていることがあります。地域を記録していない計測は、どの地域の結果なのかが分かりません。観測の詳細は AI 検索は地域で変わる:全国 1 位が地名で圏外に に書きました。
地域指定で、何ができて何ができないのですか?
当方の計測環境で、検索地域を指定できるのは Google の AI 概要と AI モードの 2 つです。いずれも、検索結果を取得するサービスを経由して、検索の地域を指定しています。
| AI | 検索地域の指定 | 地域別に測る方法 |
|---|---|---|
| Google の AI 概要 | できる | 地域を指定する/地名を入れる |
| Google の AI モード | できる | 地域を指定する/地名を入れる |
| その他の Web 検索をする AI | 当方の計測環境ではできない | 地名を入れる |
| ChatGPT(検索を使う場合) | 利用者が指定する仕組みはない。IP アドレスから推定したおおよその位置を使うことがある(OpenAI の説明) | 地名を入れる |
| Web 検索をしない AI | 検索をしないため、指定の意味がない | 地名を入れる |
できないこと、注意が要ることもあります。
| 限界・注意 | 内容 |
|---|---|
| 取得した結果が、実際の画面と一致しない場合がある | 取得サービス経由の結果は、利用者が実際に見る画面と細部が違うことがある |
| AI 概要は、そもそも生成されないことがある | 地域を指定しても、要約が表示されない回がある(AI Overview が表示されないとき、計測でどう扱うか) |
| 地名の書き方で、別の質問になる | 「◯◯市」「◯◯駅」「◯◯エリア」は、それぞれ別の質問として扱う必要がある |
| 学習した知識で答える AI は、地域の最新事情を反映しにくい | 新しい拠点の情報などは、次にモデルが更新されるまで反映されない |
| 主張 | 根拠の強さ | 根拠 |
|---|---|---|
| 地名の有無で、推薦に入るかどうかが変わる | ◎ 実証 | 当方の実測(地名ありは 1 回) |
| 地域を指定しなくても、検索は自動で地域を決めることがある | ◎ 実証 | 当方の観測(通常の Google 検索・1 回) |
| 利用者の端末の位置や接続元によって、AI の回答が変わる | △ 仮説 | 当方は検証していない |
根拠の強さは、◎ 実証(当方の実測、または複数の独立した調査が同じ結論)/○ 有力/△ 仮説/✕ 否定されつつある、の 4 段階で示しています。
地域別の計測は、どう設計すればいいですか?
地域 × 質問 × 方法 × 回数の組み合わせで設計します。全部を測ると膨らむので、優先度をつけます。
| 決めること | 目安 |
|---|---|
| どの地域を測るか | 拠点のある地域のうち、問い合わせの多い地域・競合が強い地域から 3 つほど |
| どの質問を使うか | 主要な非指名質問を 3〜5 本。地名を入れる版と入れない版を同じ文面でそろえる(LLMO のプロンプト設計:計測する質問の作り方) |
| どの方法で測るか | 地名を入れる方法はすべての AI で。検索地域の指定は、対応した AI で |
| 何回測るか | 各 3 回以上 |
| 何を記録するか | 地域を指定しなかった場合も、どの地域として扱われたか |
全国での見え方から、地域での見え方は推測できません。拠点を多く持つ企業ほど、地域別の計測で初めて見える差が大きくなります。店舗・地域ビジネスで確かめる点は 店舗・地域ビジネスの AI 検索対策 にまとめました。