この記事の要点
- 生成 AI の答えは「質問の読み替え → 材料集め → 文章づくり」の 3 段階で作られます
- 材料を検索で集める AI と、学習済みの知識だけで答える AI があり、根拠のページを示すかどうかが違います
- 企業の名前が答えに入るのは、その回の材料の中に、推薦に値する形で書かれているときです
生成 AI は、どうやって答えを作っているのですか?
「答えを検索して見つけてくる」のではなく、「材料をもとに文章を毎回組み立てている」のが生成 AI の特徴です。そのため、同じ質問でも答えの文章は回ごとに変わります。
答えができるまでの流れは、次の 3 段階に分けると理解しやすくなります。
| 段階 | 何が起きているか | 企業にとっての意味 |
|---|---|---|
| 1. 質問の読み替え | 長い質問を、検索に使う短い言葉に書き換える。1 つの質問から複数の検索を行うこともある | 見込み客の質問そのものではなく、書き換えた言葉で検索される |
| 2. 材料集め | 検索で見つけたページを読む。検索をしない AI は、学習済みの知識を材料にする | その回の材料に自社の情報が入っていなければ、名前は挙がりにくい |
| 3. 文章づくり | 材料をまとめて答えの文章を組み立て、根拠のページへのリンクを添える | 材料に入っていても、推薦に値する形で書かれていないと候補にならない |
質問は、どう読み替えられているのですか?
各社はこの段階を公式に説明しています。
- Google:AI モードでは、質問を小さな論点に分け、利用者の代わりに複数の検索を行う「クエリ ファンアウト」という仕組みを使うと説明しています(2025 年 9 月の日本語提供開始時の発表)
- OpenAI:ChatGPT の検索は、入力された内容を対象を絞った 1 つ以上の検索用の問い合わせに書き換えて、連携する検索サービスに送ることがあると説明しています。IP アドレスから推定したおおよその地域や、保存されたメモリを使って書き換えることもあるとしています(OpenAI ヘルプ「ChatGPT でウェブを検索する」)
たとえば「相続税の申告で頼れる事務所は?」という質問は、「相続税 申告 税理士 おすすめ」のような検索の言葉に置き換えられて検索されます。AI が実際に見に行くのは、この検索の結果です。
材料集めには、どんな違いがありますか?
材料をどこから持ってくるかで、AI は大きく 2 つの型に分かれます。
| 学習知識型 | 検索連動型 | |
|---|---|---|
| 材料 | 学習済みの知識 | その回の検索で見つかったページ |
| 根拠のページ | 示さない | 示す |
| 情報の新しさ | 学習した時点まで | 検索した時点まで |
| 例 | ウェブ検索を使わない設定の AI | Perplexity、Google の AI 概要・AI モード、ChatGPT の検索 |
当方の実測では、検索をしない設定の AI は、根拠のページをほぼ示しませんでした。
| 見たもの | 結果 |
|---|---|
| 回答の中に URL が書かれていた回 | 270 回中 3 回 |
| そのうち、根拠として参照したページを示したもの | 0 件(3 回とも、本文に書かれた公式サイトへのリンク) |
同じ名前のサービスでも、ウェブ検索を使う画面・設定かどうかで型が変わります。型ごとの違いは ChatGPT・Gemini で LLMO の打ち手は違うのか で詳しく扱いました。
文章づくりの段階で、何が決まるのですか?
材料の中から、どの企業を候補として挙げ、どの順に並べ、どう説明するかが決まります。ここで 2 つのことが起きます。
1 つ目は、材料に入った企業が挙がりやすいことです。当方の実測では、ある企業のサイトが根拠として引用された 2 回はその企業が 1 位で挙がり、引用がなかった 1 回は圏外でした(AI の回答に登場したのは、引用された回だけだった)。
2 つ目は、材料に入っていても、推薦されるとは限らないことです。自社のサイトが地域の解説の根拠に使われただけで、推薦の候補には入らなかった例も観測しています(AI に引用はされるのに、推薦されない)。
| 主張 | 根拠の強さ | 根拠 |
|---|---|---|
| 生成 AI の答えは、同じ質問でも回ごとに変わる | ◎ 実証 | 当方の実測 |
| 検索をしない AI は、根拠のページを示さない | ◎ 実証 | 当方の実測(270 回中 0 件) |
| 検索連動型では、材料に入った企業が挙がりやすい | ◎ 実証(観測の範囲で) | 当方の実測(3 回)。連動の観測で、因果の証明ではない |
| 材料に入れば、必ず推薦される | ✕ 否定されつつある | 引用されても推薦されない例を観測 |
根拠の強さは、◎ 実証(当方の実測、または複数の独立した調査が同じ結論)/○ 有力/△ 仮説/✕ 否定されつつある、の 4 段階で示しています。
この仕組みから、企業は何をすればいいのですか?
段階ごとに、確かめる場所が変わります。
| 段階 | 確かめること |
|---|---|
| 質問の読み替え | 見込み客が実際に使う聞き方で、AI に質問してみる(社内の言葉で測らない) |
| 材料集め | 検索をする AI で、根拠として示されたサイトを書き出す。自社や、自社が載っているページが入っているか |
| 文章づくり | 材料に入っているのに挙がらないなら、載っている場所での書かれ方(何に強いか、具体的な数字)を見直す |
自社で確かめる手順は LLMO 計測の方法:AI 検索での見え方を無料で測る にまとめました。
※ 外部の公式ドキュメントの内容は、記載した時点のものです。