この記事の要点
- AI の答えを企業が直接書き換える手段はありません。直すのは、AI が根拠にしている情報源です
- まず、誤りが「検索した材料の誤り」なのか「学習した知識の古さ」なのか「AI の思い違い」なのかを分けます
- 自社サイトの記載をそろえ、外部の掲載先に訂正を依頼し、社名の表記ゆれをなくす、の順で進めます
AI が間違ったことを答えるのは、なぜですか?
生成 AI は、材料をもとに文章を毎回組み立てています。材料が誤っていたり古かったりすれば、答えも誤ります。材料が正しくても、組み立てる途中で取り違えることがあります。OpenAI も、ChatGPT の検索結果や引用は不完全だったり、古かったり、誤っていたりする場合があると案内しています(OpenAI ヘルプ「ChatGPT でウェブを検索する」)。
誤りは、原因によって 3 つに分けられます。
| 種類 | 何が起きているか | 見分け方 |
|---|---|---|
| 材料の誤り | 検索で見つけたページ自体に、誤りや古い情報が書かれている | 検索をする AI で、引用元を開くと同じ誤りが書かれている |
| 知識の古さ | 学習した時点より後の変化(価格改定、新サービス、移転)を知らない | 検索をしない使い方で起き、以前は正しかった内容になっている |
| AI の思い違い | 材料に書かれていないことや、別の会社の情報を混ぜて答える | 引用元を開いても、その内容が書かれていない |
社名の書き方でも、誤りは起きるのですか?
起きます。AI の答えの中で、同じ会社が別の名前で書かれることがあるからです。当方の計測では、社名の書き方のゆれがはっきり見えました。
| 見たもの | 結果 |
|---|---|
| 回答から自動で抜き出したサービス名の数 | 138 |
| 同じサービスの表記ゆれ(英字とカタカナなど)をまとめたあと | 約 120 |
| 対象サービスの名前が英字で書かれ、別のサービスとして数えられていた回 | 社名を含まない質問 225 回中 2 回 |
AI の中で「株式会社◯◯」「◯◯」「英字の◯◯」が別々のものとして扱われると、評判や実績が分散し、別の会社の情報と混ざる原因にもなります。詳しくは LLMO の競合分析:登録した競合の外に何がいるか に書きました。
誤りを見つけたら、どこから直せばいいですか?
| 順 | 直す場所 | やること |
|---|---|---|
| 1 | 誤りの出どころを特定する | 検索をする AI で同じ質問を投げ、引用元を開いて、誤りが書かれているページを探す |
| 2 | 自社サイト | 会社概要、価格、サービス内容、所在地を 1 か所に正確に書き、更新日を示す。終了したサービスのページを放置しない |
| 3 | 外部の掲載先 | 比較サイト、口コミサイト、業界団体の名簿、取引先のページなど、誤りが載っている掲載先に訂正を依頼する |
| 4 | 社名の表記をそろえる | 正式名称・サービス名・英字表記の関係を、自社サイトと外部の掲載先で統一する |
| 5 | 地図・店舗情報 | 店舗や拠点がある場合は、Google ビジネスプロフィールの名称・住所・電話番号を最新にする |
| 6 | AI のサービスに報告する | 答えの評価ボタンなどから誤りを報告する。ただし、それで答えが直る保証はない |
Wikipedia に誤りがある場合も、自社や関係者が直接編集するのは Wikipedia の方針上、利益相反として問題になりえます。ノートページでの指摘など、定められた手続きに沿って対応してください。
学習した知識の古さは、次にモデルが更新されるまで直りません。「AI に正しいことを学習させる」ような手段はない点にも注意してください(「AI に学習させる SEO」が成立しない理由)。
| 主張 | 根拠の強さ | 根拠 |
|---|---|---|
| AI の答えには、誤りや古い情報が含まれうる | ◎ 実証 | 各社の公式の案内 |
| AI の答えの中で、同じ会社が別の名前で扱われることがある | ◎ 実証 | 当方の実測(表記ゆれ) |
| 根拠になっているページを直せば、検索をする AI の答えは変わりうる | ○ 有力 | 当方の実測で、引用元と答えが連動していた。直した前後の比較データはまだない |
| 企業が AI の答えを直接修正できる | ✕ 否定されつつある | そうした手段は提供されていない |
根拠の強さは、◎ 実証(当方の実測、または複数の独立した調査が同じ結論)/○ 有力/△ 仮説/✕ 否定されつつある、の 4 段階で示しています。
※ 外部の公式ドキュメントの内容は、記載した時点のものです。