この記事の要点
- AI の答えに自社が出てこない理由は 1 つではなく、当方の実測だけでも 6 つの型がありました
- 挙がるまでには「参照される → 推薦に値する形で書かれる → 採用される」の 3 段階があり、どこで止まっているかで確かめる場所が変わります
- 最初に確かめるのは、自社サイトが AI のクローラを拒否していないかです(5 分で終わります)
AI 検索で「出てこない」とは、どういう状態ですか?
検索エンジンなら、1 ページ目に入らなくても 2 ページ目や 3 ページ目のどこかには載っています。AI の回答は 1 つの文章なので、名前が挙がらなければ、その回の自社の存在はゼロです。
ただし「出てこない」という同じ見え方の裏で、起きていることは 1 つではありません。当方の実測で観測したものだけでも、次の 6 つがあります。
| 見え方の裏で起きていること | 見分け方 | 詳しく |
|---|---|---|
| たまたま外れた回を見ていた | 同じ質問を 3 回投げ、毎回出ないのかを見る | 回答の揺らぎ |
| AI が参照した情報の中に、自社が入っていない | 引用元に、自社サイトや自社が載ったページがあるか | 引用と登場の連動 |
| 参照はされたが、推薦はされていない | 引用元に自社があるのに、推薦の中に名前がない | 引用されるが推薦されない |
| 質問の条件(地名など)で外れている | 地名を入れた質問と入れない質問で比べる | 地域による違い |
| そもそも AI が答えを生成していない | Google の AI 概要が表示されているか | AI 概要の未生成 |
| 測り方の都合で、原因が見えていない | 測っている AI が Web 検索をしているか | 根拠 URL が返らない AI |
同じ「圏外」でも、原因によって確かめる場所がまったく違います。まず、どれに当たるのかを切り分けることが先です。
なぜ、自社は AI の回答に出てこないのですか?
どこで止まっているかは、実測でそれぞれ観測できました。
| 段階 | 満たせていないとき | 実測で観測された例 |
|---|---|---|
| ① 参照される | 自社の情報が、その回の材料に入らない | 1 回目に AI が根拠として示した 10 件に、対象社のサイトは 0 件。対象社は圏外 |
| ② 推薦に値する形で書かれる | 材料には入るが、説明役で終わる | 地名を含む質問で、対象社のサイトが 2 か所で根拠に使われたが、推薦された 7 件に名前がない |
| ③ 採用される | 同じ材料でも、回によって挙がったり挙がらなかったりする | 検索をしない AI で、3 回とも同じ顔ぶれが挙がった組は 75 組中 4 組だけ |
①で止まっているなら「参照される場所に載っているか」、②なら「載っている場所でどう書かれているか」、③なら「何回中何回か」を見ることになります。どの段階で止まっているかで、確かめる場所も、打ち手の方向も変わります。
自社サイトを直せば、出てくるようになりますか?
そうとは限りません。①で止まっていた 1 回目、AI が根拠にしていた 10 件の内訳は次のとおりでした。
| 引用元の種類 | 件数 |
|---|---|
| 第三者の比較・ランキング記事 | 8 |
| 競合の自社サイト | 2 |
| 対象社の自社サイト | 0 |
同じ日に同じ質問を Google の通常の検索で調べると、対象社のサイトは上位に表示されていました。検索で上位にあることと、AI の根拠に選ばれることは、この回では一致しませんでした。
AI が見ていたのは、大半が自社では書き換えられない第三者のサイトです。自社サイトは①の材料の一部でしかありません。内訳の詳細は AI の引用元、10 件中 8 件は第三者の比較記事だった に書きました。
ここまでの主張を、根拠の強さとあわせて整理します。
| 主張 | 根拠の強さ | 根拠 |
|---|---|---|
| 引用元に対象社が載っていた回だけ、対象社が回答に挙がった | ◎ 実証 | 当方の実測(同じ質問 3 回)。連動の観測であり、因果の証明ではない |
| AI が根拠にしたサイトの大半は、第三者の比較記事だった | ◎ 実証 | 当方の実測(1 問・1 回分の引用元 10 件) |
| 引用されても、推薦されないことがある | ◎ 実証 | 当方の実測(地名を含む質問・1 回) |
| 引用されさえすれば、推薦につながる | ✕ 否定されつつある | 上の行が反例 |
根拠の強さは、◎ 実証(当方の実測、または複数の独立した調査が同じ結論)/○ 有力/△ 仮説/✕ 否定されつつある、の 4 段階で示しています。
出てこない原因は、どの順番で確かめればいいですか?
手間の小さいものから順に確かめると、どの段階で止まっているかが絞り込めます。
| 順 | 確かめること | 分かること |
|---|---|---|
| 0 | 自社サイトの robots.txt などで、AI 各社のクローラを弾いていないか | 弾いていれば、そのクローラは自社サイトを読めない。5 分で終わり、最初に確かめる価値がある(AI クローラと robots.txt:最初に確認すること) |
| 1 | 同じ質問を、同じ文面で 3 回続けて投げる | たまたまか、毎回か |
| 2 | Web 検索をする AI で、引用元を全部書き出す | ①参照される段階に自社がいるか |
| 3 | 引用元に自社がいる回で、推薦の中に自社がいるか | ②の段階で止まっていないか |
| 4 | 地名を入れた質問と入れない質問を比べる | 質問の条件で外れていないか |
0 番は、見落とされやすいわりに影響が大きい項目です。セキュリティ対策やスクレイピング対策の設定で、意図せず AI のクローラまで弾いていることがあります。サーバー側だけでなく、CDN やファイアウォールのボット対策も確認対象です。
1〜4 は、無料の AI と表計算ソフトで自分で進められます。ただし 1 つの AI・1 つの質問で分かるのは、おおよその現在地までです。問い合わせの減少から原因を探している場合は、Web からの問い合わせが減った原因の調べ方 の順番で確かめると、AI 以外の原因も含めて切り分けられます。