この記事の要点
- 問い合わせが減ったときは、①フォームの不具合 ②検索順位 ③検索のクリック ④比較検討の場の変化 ⑤AI の答えの中での扱い、の順に確かめます
- ④と⑤は、アクセス解析やサイトの数字には表れません。見込み客が AI や比較サイトで候補を絞っている場合、自社サイトに来る前に外されています
- 原因を 1 つに決めつけず、数字で確かめられるものから順に潰していくのが近道です
Web からの問い合わせが減るのは、なぜですか?
問い合わせが減る原因は、大きく分けると「サイトの中の問題」と「サイトに来る前の問題」があります。サイトの中の問題は、アクセス解析で見つけやすい。見落とされやすいのは、見込み客がサイトに来る前に、候補から外れている場合です。
見込み客の調べ方は変わり始めています。
| 調査 | 内容 |
|---|---|
| G2 の購買行動調査(2026 年 4 月公表・北米・欧州・アジア太平洋の BtoB の意思決定者 1,076 人) | 51% が、ソフトウェアを調べ始めるときに Google より AI チャットボットを使うことが多いと回答(前年 4 月の調査では 29%)。AI チャットボットは、候補リストに最も影響する情報源になった |
| 総務省 令和 8 年版情報通信白書(2026 年 7 月公表) | 生成 AI サービスを使ったことがある個人は 58.8%(前年の調査は 26.7%) |
G2 の調査は海外のソフトウェア購買のもので、そのまま日本のすべての業種に当てはまるわけではありません。ただ、候補を絞る場が、検索結果の外にも広がっていることは押さえておく必要があります。
何から順に確かめればいいですか?
手間の小さいもの、数字で確かめられるものから順に進めます。
| 順 | 確かめること | 見る場所 | 分かること |
|---|---|---|---|
| 1 | フォームが正しく送信できるか、通知メールが届いているか | 自分で送信してみる | 仕組みの不具合で取りこぼしていないか |
| 2 | 主要な検索語句での順位 | Search Console の検索パフォーマンス | 検索で見つけられにくくなっていないか |
| 3 | 表示回数は変わらないのにクリックが減っていないか | 同上(表示回数とクリック数を並べる) | 検索結果の画面だけで用が済む検索が増えていないか |
| 4 | 比較サイトや口コミサイトでの載り方 | 主要な比較サイトを開いて確認 | 候補として並ぶ場で、競合より不利になっていないか |
| 5 | AI の答えの中で、自社が候補に挙がるか | 見込み客の聞き方で AI に質問する | サイトに来る前の段階で外されていないか |
3 番は、Google の AI 概要のような要約が検索結果に出るようになった影響を受けやすいところです。米国の調査では、要約が出た検索でクリックされた割合が 15% から 8% に下がりました(ゼロクリック検索とは)。検索流入の切り分けは 検索流入が減ったのは AI 概要のせいか にまとめています。
5 番目の「AI の答え」は、どうやって確かめるのですか?
見込み客が打ちそうな質問(「◯◯でおすすめの会社は?」など、社名を含まない聞き方)を用意し、同じ文面のまま 3 回ずつ AI に投げて、自社の名前が挙がった回数を数えます。
1 回ではなく 3 回投げるのは、答えが毎回変わるからです。当方の実測では、同じ質問への扱いが 3 回で「圏外 → 1 位 → 1 位」と変わりました。
| 回 | 対象社の扱い | 根拠として示されたサイト |
|---|---|---|
| 1 回目 | 圏外 | 10 件中 8 件が第三者の比較記事。対象社のサイトは 0 件 |
| 2 回目 | 1 位 | 対象社のサイトが含まれていた |
| 3 回目 | 1 位 | 対象社のサイトが複数か所で含まれていた |
1 回目のように、AI が読んでいたのが比較記事ばかりで、そこに自社が載っていなければ、候補に入りにくい。4 番(比較サイト)と 5 番(AI の答え)がつながっているのはこのためです。手順の詳細は LLMO 計測の方法:AI 検索での見え方を無料で測る に、出てこない原因の分け方は AI 検索で自社が出てこないのはなぜか に書きました。
原因が AI の答えだったら、何をすればいいですか?
まず、自社の名前が挙がらない回に AI が何を根拠にしていたかを書き出します。そのうえで、次の順に手を打ちます。
| 順 | やること |
|---|---|
| 0 | 自社サイトが AI のクローラを拒否していないかを確認する(AI クローラと robots.txt) |
| 1 | AI がよく根拠にしている比較記事のうち、競合は載っていて自社は載っていないものを特定する |
| 2 | すでに載っている場所で、何に強い会社かと具体的な数字が書かれているかを見直す |
| 主張 | 根拠の強さ | 根拠 |
|---|---|---|
| BtoB の購買では、AI で調べ始める人が増えている | ○ 有力 | G2 の調査(海外・ソフトウェア購買・2026 年) |
| AI の答えで候補に入るかは、回ごとに変わる | ◎ 実証 | 当方の実測 |
| 問い合わせの減少は、AI の答えが原因だ | △ 仮説 | 原因は企業ごとに違う。上の 5 つを順に確かめて初めて分かる |
根拠の強さは、◎ 実証(当方の実測、または複数の独立した調査が同じ結論)/○ 有力/△ 仮説/✕ 否定されつつある、の 4 段階で示しています。
※ 外部の調査の内容は、記載した発表時点のものであり、当方が独自に検証したものではありません。