この記事の要点
- 就活生の AI の利用は当たり前になりました。エントリーシートの推敲が中心ですが、半数近くが就職活動の相談もしています
- 候補者が「◯◯業界でおすすめの会社は?」「◯◯社の働き方は?」と AI に聞いたとき、自社がどう答えられるかは、採用ページの外の情報にも左右されます
- 確かめ方は、社名を含まない質問と、社名を含む質問を分けて、3 回ずつ投げて記録することです
就活生は、どのくらい AI を使っているのですか?
マイナビが 2026 年 5 月に公表した調査の結果は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査 | マイナビ「2027 年卒 大学生キャリア意向調査 4 月<就活生の AI 利用について>」 |
| 対象・時期 | 2027 年 3 月卒業見込みの大学生・大学院生 1,258 人(2026 年 4 月 25〜30 日) |
| 見たもの | 結果 |
|---|---|
| 就職活動で AI を利用した | 84.9% |
| 使い方:エントリーシートの推敲 | 71.8% |
| 使い方:面接対策 | 38.4% |
| AI に就職活動の相談をしたことがある | 47.6% |
AI の使い方の中心は文章の推敲ですが、半数近くが就職活動そのものを AI に相談しています。相談の中身まではこの調査から分かりませんが、業界や会社の選び方を聞く場面があっても不思議ではありません。
候補者が AI に聞いたとき、何が起きるのですか?
採用の場面でも、質問は 2 つに分かれます。
| 質問の型 | 例 | 分かること |
|---|---|---|
| 社名を含まない(非指名) | 「◯◯業界で若手が成長できる会社は?」「◯◯市で働きやすい IT 企業は?」 | 候補として自社が挙がるか |
| 社名を含む(指名) | 「(自社)の働き方は?」「(自社)の評判は?」 | 自社がどう説明されるか。誤りや古い情報がないか |
AI の答えは、同じ質問でも回ごとに変わります。当方の実測(採用ではなく、事業者を探す質問)では、同じ質問への扱いが 3 回で「圏外 → 1 位 → 1 位」と変わりました。
| 回 | 対象社の扱い |
|---|---|
| 1 回目 | 圏外 |
| 2 回目 | 1 位 |
| 3 回目 | 1 位 |
1 回だけ聞いて「うちは出ない」「うちは出る」と決めずに、同じ質問を 3 回投げて数えてください(AI の回答は毎回違う?同じ質問を 3 回投げた実測)。
採用担当は、何を確かめればいいですか?
| 手順 | やること |
|---|---|
| 1 | 候補者が打ちそうな質問を、社名を含まないもの 5 本、含むもの 3 本つくる。実際に面接で聞いた「就活でどう調べたか」を参考にする |
| 2 | ログアウトした状態で、複数の AI に同じ文面のまま 3 回ずつ投げる |
| 3 | 答えを原文のまま保存し、自社が挙がったか、説明に誤りや古い情報がないかを記録する |
| 4 | 検索をする AI では、根拠として示されたページを書き出す(求人サイト、口コミサイト、ニュース、自社の採用ページなど) |
| 5 | 誤りや古い情報の出どころを特定し、自社の採用ページと、求人の掲載先の情報をそろえる |
採用ページには、勤務地、仕事内容、制度、選考の流れなどの事実を、日付とともに正確に書いておくことが基本です。誤りの直し方は AI が自社について間違ったことを答えるとき に、質問の作り方は LLMO のプロンプト設計 にまとめました。
口コミサイトの評価を操作しようとしたり、社員に投稿を依頼したりすることは、各サイトの規約に反するおそれがあり、信頼も損ないます。まず実態の改善と、事実の発信を優先してください。
| 主張 | 根拠の強さ | 根拠 |
|---|---|---|
| 就活生の大半が、就職活動で AI を使っている | ◎ 実証 | マイナビの調査(2026 年) |
| 就活生の半数近くが、AI に就職活動の相談をしている | ◎ 実証 | 同上(47.6%) |
| 就活生は、AI の答えで応募先の候補を絞っている | △ 仮説 | 相談の中身を示す公開データは見当たらない |
| AI の答えは、同じ質問でも回ごとに変わる | ◎ 実証 | 当方の実測 |
根拠の強さは、◎ 実証(当方の実測、または複数の独立した調査が同じ結論)/○ 有力/△ 仮説/✕ 否定されつつある、の 4 段階で示しています。
※ 外部の調査の内容は、記載した発表時点のものであり、当方が独自に検証したものではありません。