この記事の要点
- 質問は「社名を入れない・話し言葉・業界の言葉を使わない・条件は 1 つまで」の 4 つの決まりで作ります
- 5 つの型(おすすめ・比較・条件つき・困りごと・選び方)を 1 本ずつそろえると、自社が強い聞かれ方と弱い聞かれ方が分かれて見えます
- 8 業種 × 5 本の例に、社名入りの 2 本を足して計 7 本にし、同じ AI に 3 回ずつ聞くのが出発点です
計測に使う質問は、どう作ればいいのですか?
お客様が実際に AI に打ち込む言葉で、社名を入れずに作ります。
| 決まり | 理由 |
|---|---|
| 社名を入れない(自社名も競合名も) | 入れると、どの会社でも名前が出てしまい、差が見えない |
| 話し言葉で書く | お客様が AI に打ち込むのは、きれいな日本語ではない |
| 業界の言葉・社内の言葉を使わない | お客様が知らない言葉では、お客様の答えは測れない |
| 条件は 1 つの質問に 1 つまで | 条件が多いと、AI が条件に引きずられる |
質問の設計の考え方は LLMO のプロンプト設計:計測する質問の作り方 で詳しく扱っています。本記事は、その考え方で作ったすぐ使える例の一覧です。
質問の型には、どんなものがありますか?
5 つの型を 1 本ずつそろえます。型によって、分かることが違います。
| 型 | 例 | 分かること |
|---|---|---|
| ① おすすめを聞く | 「(業種)のおすすめは?」 | 分野の定番として挙がるか |
| ② 比べてもらう | 「(業種)を比べて、特徴を教えて」 | 比べられる候補に入っているか、どう書き分けられるか |
| ③ 条件を 1 つつける | 「(従業員 50 人)向けの(業種)は?」 | 自社が強い条件で挙がるか |
| ④ 困りごとから聞く | 「(困りごと)で困っています。どうすればいい?」 | 業種の名前を知らない人の候補に入っているか |
| ⑤ 選び方を聞く | 「(業種)を選ぶときのポイントは?」 | どんな観点で比べられているか |
型によって、結果は大きく変わります。当方が 1 つのサービスについて 25 問の社名なしの質問を聞いたとき、「おすすめは?」のような総合的な質問では対象のサービスが 9 割近く挙がった一方、比較や注意点を聞く質問では 4 割ほどでした。
| 質問の内容 | 質問数 | 対象サービスの出現率(SOV) |
|---|---|---|
| 総合的な推薦(「おすすめは?」など) | 2 | 88.9% |
| 条件つき | 10 | 74.4% |
| 目的別 | 4 | 61.1% |
| 対象者別 | 6 | 53.7% |
| 比較・注意点 | 3 | 40.7% |
「おすすめは?」だけで測ると、強く見えすぎることがあります。5 つの型をそろえるのは、どの聞かれ方で強く、どこで弱いかを分けて見るためです(詳しくは LLMO のプロンプト設計)。
また、型によっては、会社の名前がまったく出ないこともあります。当方が地域の工務店と制作会社を「おすすめは?」の型で聞いたときも、AI は会社名を挙げず、一覧のページへ案内しました。
名前が出なくても、どのページに案内されたかを記録しておくと、手を打つ場所が分かります(地域の会社を AI に聞くと、会社名は出なかった)。
業種ごとに、どんな質問を使えばいいのですか?
8 つの業種の例を挙げます。かっこの中を自社の業種・地域・お客様に合わせて置き換えてください。近い業種の型を借りて作り替えても構いません。
IT の製品・クラウドサービスでは、どう聞きますか?
| 型 | 質問の例 |
|---|---|
| ① | (勤怠管理システム)のおすすめは? |
| ② | (勤怠管理システム)を 3 つ比べて、それぞれの特徴を教えて |
| ③ | 従業員 50 人くらいの会社向けの(勤怠管理システム)でおすすめは? |
| ④ | 毎月の(勤怠の集計)に時間がかかりすぎています。どうすればいい? |
| ⑤ | (勤怠管理システム)を選ぶときのポイントは? |
士業(税理士・社会保険労務士など)では、どう聞きますか?
| 型 | 質問の例 |
|---|---|
| ① | (地域)でおすすめの(税理士事務所)は? |
| ② | (相続税の申告)を頼むなら、どんな事務所がいい?比べて教えて |
| ③ | 初めて(相続)の手続きをする人向けの(税理士事務所)は? |
| ④ | 親が亡くなって、何から手をつければいいか分かりません |
| ⑤ | (税理士)の選び方で気をつけることは? |
人材(採用支援・転職エージェント)では、どう聞きますか?
| 型 | 質問の例 |
|---|---|
| ① | (エンジニア)の転職に強いエージェントは? |
| ② | (転職エージェント)を比べて、それぞれの特徴を教えて |
| ③ | (30 代・未経験)でも相談できる(転職エージェント)は? |
| ④ | (エンジニア)の採用がうまくいきません。どうすればいい? |
| ⑤ | (採用支援の会社)を選ぶときのポイントは? |
住宅・不動産では、どう聞きますか?
| 型 | 質問の例 |
|---|---|
| ① | (地域)で評判のいい(注文住宅の工務店)は? |
| ② | (ハウスメーカー)と(工務店)、どう違う?どこがいい? |
| ③ | (予算 3,000 万円)で家を建てるなら、どこに相談するといい? |
| ④ | 家を建てたいけれど、何から始めればいいか分かりません |
| ⑤ | (工務店)の選び方で失敗しないコツは? |
製造業(部品・加工の受託)では、どう聞きますか?
| 型 | 質問の例 |
|---|---|
| ① | (金属の精密加工)を頼める会社のおすすめは? |
| ② | (試作)に強い(加工会社)を比べて教えて |
| ③ | (小ロット)でも受けてくれる(加工会社)は? |
| ④ | 社内で作れない部品を、外に頼みたい。どう探せばいい? |
| ⑤ | (加工の外注先)を選ぶときに確かめることは? |
通販・自社ブランド(食品・日用品など)では、どう聞きますか?
| 型 | 質問の例 |
|---|---|
| ① | (ギフトに向いたお菓子)のおすすめのブランドは? |
| ② | (定期便のコーヒー)を比べて、それぞれの特徴を教えて |
| ③ | (添加物が少ない)(子ども向けのおやつ)は? |
| ④ | (取引先へのお礼)に何を贈ればいいか迷っています |
| ⑤ | (通販のコーヒー)を選ぶときのポイントは? |
地域の店舗(美容室・学習塾・飲食など)では、どう聞きますか?
| 型 | 質問の例 |
|---|---|
| ① | (駅名)の近くでおすすめの(美容室)は? |
| ② | (地域)の(学習塾)を比べて、それぞれの特徴を教えて |
| ③ | (個室がある)(地域)の(居酒屋)は? |
| ④ | (中学生の子どもの成績)が伸びなくて困っています |
| ⑤ | (学習塾)の選び方で気をつけることは? |
制作・広告・コンサルティングでは、どう聞きますか?
| 型 | 質問の例 |
|---|---|
| ① | (地域)でおすすめの(ホームページ制作会社)は? |
| ② | (Web 広告の運用代行)の会社を比べて教えて |
| ③ | (中小企業)向けに(SNS の運用)を任せられる会社は? |
| ④ | (ホームページからの問い合わせ)が増えません。どうすればいい? |
| ⑤ | (制作会社)を選ぶときのポイントは? |
社名を入れた質問も、足したほうがいいのですか?
足すことを勧めます。社名入りの 2 本で、AI が自社をどう紹介しているかが分かります。
| 質問の例 | 見るところ |
|---|---|
| (自社のサービス名)とはどんなサービス?特徴と料金を教えて | 内容や料金の誤り、終わったサービスの記載がないか |
| (自社のサービス名)の評判はどう?デメリットも教えて | 否定的な書かれ方と、その根拠になったページ |
ただし、社名入りの質問の結果は、出現率には入れません。社名を入れれば、どの会社でも名前は出るためです。
質問を作ったら、どう測ればいいのですか?
7 本を同じ AI に 3 回ずつ、同じ文面で聞きます。7 本 × 3 回で 21 回です。
| 手順 | やること |
|---|---|
| 1 | 自社の業種の 5 本を選び、かっこを置き換える。営業の担当者に「お客様は最初にどう聞いてきますか」と聞いて、言い回しを直す |
| 2 | 社名入りの 2 本を足して、計 7 本にする |
| 3 | 文面をメモ帳に保存し、毎回コピーして使う(一字でも変えると別の質問になる) |
| 4 | 1 日に聞く回数を絞り、数日に分けて 3 回分をそろえる |
| 5 | 1 回ごとに、挙がった名前(順番どおり)・根拠のページ・自社の名前と書かれ方を記録する |
無料の道具では、続けて聞くと止められることがあります(ログインなしの Perplexity で測るときの注意)。手順の全体は LLMO 計測の方法:AI 検索での見え方を無料で測る、回数の考え方は AI の計測は何回必要か にあります。
本記事の主張を、根拠の強さとあわせて整理します。
| 主張 | 根拠の強さ | 根拠 |
|---|---|---|
| 社名入りの質問では、どの会社でも名前が出るため、出現率に使えない | ◎ 実証 | 指名の質問の性質(当方の計測でも社名入りの質問は自社が必ず挙がった) |
| 「おすすめは?」の型でも、会社名が出ないことがある | ◎ 実証 | 本記事の実測(地域の 2 分野・各 n=1) |
| 困りごとから聞く型で、いちばん差が出やすい | △ 仮説 | 型ごとの差を比べた計測は、当方はまだ行っていない |
| 質問の型によって、出現率は大きく変わる | ◎ 実証 | 当方の実測(型ごとに 40.7%〜88.9%) |
根拠の強さは、◎ 実証(当方の実測、または複数の独立した調査が同じ結論)/○ 有力/△ 仮説/✕ 否定されつつある、の 4 段階で示しています。
※ 質問の例は計測の出発点として示したもので、業種や商材に合わせて調整が必要です。